私には小学生から仲良くしている友達が居ます。
その友達とはお互いに何でも話し、言える関係のため小さな出来事まで言い合います。小学生からの関係なのでかれこれ15年以上の関係です。
ちなみに私の名前は彩乃。
友達の名前は沙紀と言います。
小学生の時は同じ学校だったという子こともあって子供らしく学校終わりに毎日遊んでいました。
幼馴染ではありませんが家族ぐるみの関係だったということもあって平日にどちらかの家に泊まり、そのまま一緒に学校へ行くということもある程毎日のように一緒に居ました。
小学生の時の沙紀の性格は物静かで男子とはほとんど話さず、大人数の時は居るのか居ないのか分からない程影の薄い子でした。
小学6年生の時に私の両親の仕事の関係で隣町に引っ越しをしなくてはならなくなりました。
隣町ということもあり沙紀と同じ中学校に行くことはできませんでしたが、自転車で行ける距離ということもあり数ヶ月に1回のペースで沙紀と遊んでいたのですが、中学2年生の後半になり来年の受験や部活動引退前の試合等でお互いに予定が合わなくなり、遊ぶことがなくなりました。
でもお互いに携帯(当時はガラケー)を持っていたため時間がある時にメールのやり取りをしていました。
中学3年生の夏休みが明けた頃に沙紀から「彩乃の学校に小島って男子居る?」というメールが届いたのです。
私が通っていた中学校の同年代の男子で“小島“は1人しか居なかったため「居るよ」と返信すると沙紀から「もしかして名前直也?」とすぐに返信が来たのです。
小島君と私は同じクラスにはなったことはないのですが時々他愛もない話をする仲だったため
「沙紀って小島君のこと知ってたんだ!小島君がどうしたの?」と返信すると「ウチ小島と付き合ってたの」と言ってきたのです。
「小島君と沙紀はいつから付き合っていたの?」と返信すると「3ヶ月位かな」と返信があったため「どうして小島君と別れちゃったの?」と返信をすると今までテンポよくメールのやり取りをしていたのにいきなり沙紀からメールが来なくなりました。
沙紀からメールが来なくなってから6時間程が経ち、
「遅れてごめん。直也の浮気」とだけメールが届きました。
私は小島君と他愛もない話をしていたにもかかわらず、小島君が最近まで誰かと交際をしていたという話を初めて聞いた私はなぜか沙紀に対して疑問を抱くようになりました。
なぜなら小島君は少しお調子者の性格ではあるものの浮気をするような性格ではないからです。
沙紀に対して疑問を抱いた私は「小島君が浮気しているってなんで気が付いたの?」とメールを返信すると「それは言えない」とだけ返信があり、また新たなメールが沙紀から届いたのです。
その内容は「直哉に何で浮気をしたのか聞いてくれない?」という内容でした。
私は小島君の連絡先は知っていましたが“直接聞きたい“という気持ちがなぜか強かったので「明日の学校で聞いてみるね」と沙紀に返信し、この日の沙紀とのメールのやり取りはこれで終わりました。
翌日学校で小島君に「私沙紀と親友なんだけど、沙紀と小島君が付き合っていたって本当?」と聞くと「沙紀ちゃんとはメールのやり取りをしていただけで付き合ってはないよ?」と小島君に言われました。
小島君の言葉に被せるように私は「でも沙紀は小島君に浮気をされて別れたって言ってたよ?それに3ヶ月位付き合ったとも言ってたし」と言うと、「いや、俺と沙紀ちゃんがメールするようになったの1ヶ月前だよ?」と小島君が言ってきたのです。
これを聞いて私はなぜか小島君ではなく親友の沙紀のことが信じられなくなり、その日の夜に沙紀にメールをしたら返信はなく数日後に「彩乃久しぶり!元気だった?」と、私が送ったメールの内容には一切触れていないメールが届いたのです。
この時私は“小島君のこと言わない方がよかったのかな?“と思い、沙紀からのメールの内容にだけ触れて返信をしました。
中学生の時の沙紀はなぜか平気で嘘をつく性格となり、“自分が1番“という考えが日に日に強くなっていきました。
そしてお互いに無事に高校に入学することができ、また定期的に遊ぶようになりました。
お互いにアルバイトをしていたこともあり学校が終わってからアルバイトまでの数時間や休日に合っていました。
そんなある日、アルバイト終わりの夜20時頃、沙紀と駅前で待ち合わせをして途中まで一緒に帰ることになった時、見ず知らずの20代前半の2人組の男が私たちに「JK良いねー!遊ぼうよ!」と声をかけてきたのです。
怖くなった私は無視をして沙紀のことを掴んで歩いているとその男たちは諦めずに「一緒に遊ぼうよ!車もあるし!」と何度も誘ってきたのです。
私は沙紀に小声で「早く帰ろう!」と言ったにもかかわらず沙紀は男たちに反応し、「いいよ!どこに連れて行ってくれるの?」と笑顔で答えてしまったのです。
そんな沙紀の態度にびっくりした私は、「ごめん帰る」と言って沙紀を残して1人でダッシュでその場から居なくなりました。
帰宅後私は母にそのことを話すと「沙紀ちゃんとはもう関わるのを辞めなさい。誘拐でもされたり、体を触られたらどうするの?」と母から注意を受け、これを機に沙紀とは関わらないようにしていました。
そんなある日家で友達のSNSを見ていたら沙紀と同じ小学校・中学校だった優菜のSNSを見つけ、“懐かしい。優菜元気にしているかな?“という気持ちで優菜のSNSを見ていると「昨日23時頃沙紀がいきなり家に来た。マジ迷惑」といった書き込みがされていたのです。
沙紀と優菜はそれほど仲が良かったわけではなかったためなんだか気になり私は優菜と仲良くしている友達のSNSを探していると複数人のSNSに「昨日いきなり沙紀が家に来て泊めた」「アポなし訪問とかマジ迷惑」「いきなり来られても困る」などといった書き込みをいくつも見つけました。
沙紀の名前を書かずに投稿している子も居ましたが、書き込みの感じが沙紀のことを書いているような感じだったため私は“これは絶対沙紀のことだ“とすぐに気が付きました。
ですが私は母から“沙紀とは関わるな“と言われていたためあえて沙紀に連絡はせず放っときました。
高校3年生の卒業間近に沙紀から「やっほー!久しぶり!あれ以来彩乃が全然連絡してくれないから寂しかった!」というメールが来たのです。
普段と変わらずメールのやり取りをしていると「今度会わない?」と沙紀が言ってきたため卒業式後に会う約束をしました。
2年ぶり位に会った沙紀は制服ではなく全身ブランド物のファッションをしていました。変わり果てた沙紀の姿を見て口が塞がらなくなってしまった私に対して「どうしたの?そんな顔して!てか久しぶりだよね」と笑顔で言ってきました。
待ち合わせ場所から近くのカラオケ店に移動をすると沙紀が「ずっと彩乃に話したいことがあってさー、何から話そう!」と笑顔で言いながら、歳をごまかして風俗店で働いていたこと、歳をごまかしてキャバクラで働いていたこと、高校を中退したこと、彼氏がいることなどを話し始めたのです。
物静かで男子とはほとんど話さず、大人数の時は居るのか居ないのか分からない程影の薄かった沙紀が風俗やキャバクラで働き、高校を中退していたということに凄くびっくりし、「なんか沙紀変わったね」と私が言うと「何も変わってないよ」と笑顔で言ってきました。
この時なぜか私は勘が働き、“本当に沙紀とはもう関わらない方が良いかも“と思ったのです。
そしてこの日から沙紀とは連絡のやり取りだけをし、会わないようにしました。
19歳の時に沙紀は当時付き合っていた彼氏との子供を妊娠し、これを機に沙紀は既婚者となりました。この妊娠は沙紀の計画にすぎません。
「ピルを飲んでいるから妊娠しないよ」と言い、本当はピルなんて一切飲んでいないのに彼氏との子供が欲しいがために彼氏のことを騙し、計画通り妊娠をして結婚をしました。
ですが妊娠中夫の浮気が気になり毎日夫に内緒で後をつけ回したり、隠れて持物チェックや携帯チェックをしていたのです。
子供が生まれてからは沙紀は夫の浮気が一切気にならなくなり、生まれたばかりの子供を実の両親に預けて毎日遊びほうけていました。
そして自宅には帰ることなく彼氏を2人作り、“独身“と嘘をついて交際していたのです。
こんな沙紀の姿を見て私は「旦那さんと子供と仲良くしたら?」と沙紀に電話で言うと「だって旦那が○○なんだもん」「旦那が○○だからだめなんだよ」と、自分のことを棚に上げた発言しかしません。
沙紀の言動に呆れた私は「まあなんでもいいよ」とだけ言って電話を切りました。
後日沙紀から電話があり、「彼氏2人に結婚してることがバレたかも!?」という内容でした。
これを機にもう一度「もう家に帰ったら?子供が可哀そうだよ」と沙紀に言うと「帰りたくない」と子供みたいなことを言い出し話が全く進みませんでした。
この電話をした3ヶ月後、ついに沙紀が彼氏と別れ、実の両親が暮らしている実家で旦那さんと子供と一緒に暮らすことを決意したのです。
会うことは避けていた私ではありますが、沙紀とは長い付き合いということもあって“やっと幸せな生活ができる“と思って少し嬉しい気持ちになりました。
ですが嬉しい気持ちになっていたのも束の間で、実家暮らしで暇を持て余している沙紀の矛先は私へと向きました。
これが沙紀が私に対する嫉妬・妬みの始まりです。
私には中学生の時から交際している彼氏が居て、20歳の時には結婚前提に彼氏とアパートで同棲をスタートさせ、23歳の時に結婚、結婚を機に私は専業主婦となり24歳で建売の一戸建てを購入しました。
誰がどう見ても順風満帆な私と夫に対して沙紀は「旦那さんってお給料いくら?」「なんでそんなにお金があるの?」「専業主婦って毎日家で何してるの?」などと、私が結婚をしてから家庭のことに対して首を突っ込んでくるようになったのです。
1度だけであればまだ我慢はできますが、連絡を取る度に毎回同じようなことを聞いてくるのです。
ですが私と夫は中々子供を授かることができず2年の妊活を頑張っていることが沙紀にっとっては“しめしめ“と思えることだったようで「今月は生理来た?」「妊娠した?」「ちゃんと排卵日にやってるの?」などとデリケートな部分にまで首を突っ込んでくるようになったのです。
沙紀は旦那さんと上手くいっていないということもあってほとんど喧嘩をしない私と夫に少し嫉妬をしている感じでした。
こんな生活に嫌気が刺した私はついに爆発し、「毎回同じようなこと言ってこないでくれる?」と沙紀にメールを送ると、「言ってないし」と返信が来たのです。
“何を言っても無駄だ“と思った私はそのメールには返信をしませんでした。
すると翌日「そういえば彩乃の家まだ行ったことないから遊びに行きたいな」というメールが届いたのです。近頃の沙紀の様子や嫉妬・妬みを感じている私は家に沙紀を上げることはもちろん家の場所を教えたくなかった私は「いつか遊びにおいで」とだけ言って話を終わらせようとすると「本当に嫌じゃない?嫌だったら言ってね?」というメッセージが届いたため無視をしました。
そして翌日また沙紀から「いつ遊びに行っても良いの?」というメッセージが来ていて、なんだか怖くなった私は携帯を解約して新しい携帯を購入し、沙紀とは連絡をとれなくしました。
この日から当たり前のことながら沙紀とは一切関りはありませんが、中学生のあの日から日に日に性格が変化し、人の幸せや自分よりも幸せな人が憎いという性格になった沙紀は1番仲の良かった小学生の頃とは全くの別人になっていました。
今は沙紀がどこで生活をしているのかハッキリとは分かりませんが、嫉妬や妬みなどで沙紀が我が家を探し出さないか内心ちょっとソワソワする日々を今でも送っています。
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