結婚してマイホームを購入して現在は何も起こらないので、やっぱり「何かある」と思います。
それは私の実家の子供部屋です。しかも私の部屋です。
私が中学生の時に妹の分と二部屋増築してくれたのです。
今でも両親には感謝しています。
自分の好きな物に囲まれて本当に嬉しかったです。
ただ、時々夜眠っているとパッと目が覚めるのです。
すでに体が痺れるような重たいような感じで動けません。
目だけは動くので「え?何?」と思ってキョロキョロしていると、真っ暗な部屋なのに私の上に真っ黒な雲の様なモクモクが広がって迫ってくるのです。
「オバケ?どうしよう!」と怖いのですが体は動かないし声も出せません。
いつかテレビで「弱い気持ちの人は何かに取りつかれる」のを思い出して力が入らないけれど、心の中で「やめて!来ないでー!」と叫びました。
黒い物体の圧に負けそうになった瞬間にバッと普通に戻りました。
「今のは何だろう」次の日に母に話すと「家に変なものが出るわけないでしょ、疲れてるんじゃないの?」と言われてしまいました。
その後高校生になっても大人になっても時々そんな現象に遭遇していました。
体が動かないのは「金縛り」なんだと分かりました。
不思議な現象も他のパターンがあって、体が凄く重たくて苦しくて「ううっ」と目を開けると何かは分からないけれどお腹の上に正座した人?がいて私を見下ろしています。
真っ黒な物体なのでハッキリ見えませんが雰囲気で私を見ているのがわかります。
もう怖くて仕方ないけれど、強い気持ちで「やめて下さい」と念じるとスーッと元に戻ります。
他にもガヤガヤ沢山の人の声がするので目を覚ますと金縛りで動けません。
なんと右から左へ私のお腹の上をお地蔵さまみたいなものがゾロゾロ進んで行きます。
お腹が踏まれている感覚がありました。
何を言ってるのか分からないけれどみんな何かを喋りながら移動していました。
そのときはとても眠くて何度もそんな現象が起きるのに慣れた(慣れたくないですが)みたいで眠ってしまいました。
大人になって妹にその話をしたら、妹はそんな現象はなかったそうです。
でも私に「お姉ちゃんの部屋は何かあるでしょ?」と言い出しました。
「え?何よ?」と訊いたら…
妹が夜中に喉が乾いて水を飲んで部屋に戻る時に隣の私の部屋のドアにマントのような格好のおばあさんがドアをノックして開けないでそのままスーッと部屋に入ったのを見たと言うのです。
私は笑いながら「ちょっと、悪い冗談はやめてよー」と言ったら妹が真顔で
「ウソじゃないよ、次の日お姉ちゃん大熱出したから、そのおばあさんが死神でお姉ちゃんが死んだらどうしようと思ってたんだよ」と言うのです。
私の部屋の前におばあさん…想像しただけでゾッとしました。
しかも思い出したのですが、夜ドアを「トン…トン」とノックする音で起きた事があります。その時におばあさんが入ってきていたのかと思うと…怖くてたまりませんでした。
この現象が何処かの廃病院に肝試しに行って体験したならそこへは二度と行かなければいいのですが、毎日過ごす我が家では逃げようがありません。
しかも両親は信じてくれません。
だんだん私の心は疲れていくような感覚になりました。
そして「お金を貯めて狭くてもいいからアパート借りて暮らそう」と思っていました。
実は私の部屋だけではなく、中学生の時に一人で留守番をしていたら「白い足」を見たことがあります。
長い暖簾の下に白い足がこちらを向いて立っていたのです。
その前に廊下を走る音がだんだん近づいて来て、一人でいるのに何の音かと思い、振り向いたら白い足。
二度見してもハッキリ見えたので「うわ!でたぁ」と思った瞬間に向きを変えて廊下を走って行きました。
(見たのではなく、音でそうだと思いました)
何でいろんな事が私にだけ起きるのだろう、そういう体質なのかな、など悩みました。
実家の後ろには昔からある大きな池があります。
父は子供の頃体育で泳いだそうです。
でも、溺れたりして亡くなってる人もいると聞きました。
その霊がさまよっているのでしょうか?
私の部屋の位置は良くない方角なのでしょうか?
子供の頃の我が家はみんな仲良しで家族で出掛けたり、親がよく遊んでくれたり、幸せを絵に書いたような家族でした。
しかし大人になってからは私も妹も一度結婚しましたがうまくいかず離婚しています。
妹も私も何度も流産の経験があり、その度に両親を悲しませてしまいました。
両親は「姉妹揃って何で幸せになれないのかね」と心配していました。
そんな父も癌を患い、10年近く入退院を繰り返して60歳で亡くなりました。
父の亡くなる少し前に私が再婚してやっと孫の顔を見せる事ができ、ちょっぴり親孝行出来たかと思いました。
でももっと長生きして欲しかったです。
父が亡くなる前は孫と少しでも一緒に過ごさせてあげたくて実家に頻繁に泊まりに行ってました。
余命宣告されていたので私は写真をたくさん撮りました。
子供が大きくなったらおじいちゃんの話をしながら写真を一緒に見ようと思ったのです。
悲しいけれど家族の最後の楽しい時間になりました。
そこでまた不思議な写真が数枚見つかりました。
白いシャボン玉や煙のような物体が写っているのです。
父が亡くなって葬儀などでバタバタしていたのでプリントしたのはその後だったのです。
母と妹にもその写真を見せました。
妹が「これは多分お父さんのお迎えが来てたのかもね」と言いました。
母は「そうかもね、あの時はお父さんが大変なのに写真ばかり撮ってちょっと嫌だったけど撮っておいて良かったね、お父さん嬉しそうだね」と呟きました。
子供と実家に泊まる時は例の私の部屋で二人で寝るのですが、あの現象は一度も起きていません。出産で私の体質が変わったのでしょうか。
やっと自分の部屋でグッスリ眠る事が出来ました。
今は妹も嫁いでしまったので母が一人で実家に住んでいます。
母は霊的なものを信じないし、普段からとてもパワフルなので私のような体験はしない事でしょう。
それにしても私の体験はただの「疲れ」にしては幾度もあったし、今の自宅ではそんな気配すら感じません。
何だったのか知りたい気もしますが、怖いので知らない方がいいのかもしれませんね。
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